大同心大滝アイスクライミングと、カシン・X-ドリーム 使用感レビュー

大同心大滝とカシンX-ドリーム

通販部スタッフのmatsudaです。

3月31日に、八ヶ岳の大同心大滝へ行ってきました。

元々は摩利支天沢大滝から阿弥陀岳北西稜への継続登攀で計画を立てていたのですが、この日はみぞれ交じりの雨と強風、濃霧で視界もほぼゼロ・・・と結構悪いコンディション。

また、入山直後に美濃戸口河原奥の氷柱を観察したところ、右側の初級者用の氷が真ん中で分断されているように見え、春の陽気で融解が一挙に進んで、上部の氷の状態も怪しいのでは?という懸念もありました。

摩利支天沢大滝のように、ツララ状で下部が細くなる氷では、この高温では結構リスキーかなと思い、今回はあきらめて阿弥陀岳北西稜のみを登攀しようということに。

ところが、あろうことか阿弥陀岳北西稜への南沢登山道からの正しい分岐点が全く判然とせず、右往左往する羽目に。

北西稜へのトレースかと思って辿った踏み跡は、右手の沢のほうへ延びており、その突き当たりには初めてみる氷瀑が・・・。

なんだこれ…こんな場所に氷瀑??

こんなところに氷瀑があったなんて知りませんでした。

しかし踏み跡が明確に残っていたということは、最近誰かが登った可能性がありますね。

というか、北西稜へのトレースはここからは付いておらず、
氷瀑の左の斜面をツボ足で進んでみることに。

ところが、斜面の角度が非常に急傾斜なうえ、ツボ足だと腿~腰付近までズボズボハマりこむ始末。
そこから抜け出すのも一苦労・・・
正解ルートもわからずに、このまま進めば相当時間を食いそう。

諦めて引き返し、手前の分岐点からうっすら残っているトレースが左のほうにもあり、そちらを詰めてみる。しばらくはトレースがついていたのでこれが正解かと思ったが、こちらもなんと、途中でトレースが消えていた・・・。

そしてその先は樹林が密生していて、雪も深いので無限に踏み抜きそうで、まあスムーズに進めそうには到底見えなかった。

そうこうしているうちに時間がどんどん圧してしまい、天気も悪化の一途をたどっている。

ついに北西稜はあきらめ、一旦は阿弥陀北稜へ転進しようかと思ったが、濃霧で視界がなく上部でゴーゴーと荒れ狂う風の音を聞くと、それも到底乗り気にはなれず

結局同行者の発案で、大同心大滝でアイスクライミングをしよう!
となったのでした。

視界の効かないガスの中、大同心沢を詰めてゆく。
沢の両岸にはそこかしこにデブリが堆積しており、雪崩の爪痕が垣間見られる。
上部からの雪崩の可能性に注意を払いながらも徐々に沢を詰めると、正面に大同心大滝の威容がガスの中から姿を現した。。
濃霧の中にうっすらと浮かび上がるその姿は、鈍色で垂直にぶっ立っており、中々に不気味だ。

不気味に聳え立つ大同心大滝

久々のアイスクライミングで、身体は相当に訛ってしまっていたが、どうにか頑張って登る。

3月末日の春山へ移行するさなかにおいて、
しばらく天気がよく気温も高かったせいか、氷の状態はシャーベット状。
氷の表面は細かくザラつき、アイゼンの爪が触れるだけでガシャガシャと欠け落ちて行く
アイススクリューもしっかり決まっているのか怪しい・・・。

トップロープを張って、3本ほども登ると腕と脹脛が猛烈にパンプ。
夕方17時すぎに終了し、撤収。

その翌日は、南沢小滝で数本登ってから下山。

ちなみに南沢小滝は、氷はブルーアイスで硬く引き締まっており、
適度に穴も空いていてコンディションは良好。登りやすかったです。

南沢小滝

それにしても、下山日は打ってかわって快晴で、「なぜ昨日晴れてくれなかったんだ!」と大空に毒づく。

今シーズンはほとんどアイスに行けずじまいで、身体が慣れないうちに終幕してしまいました。
また来年までお預けですね。

カシン・Xドリーム

さて、今回実践導入したアイスアックス「カシン・Xドリーム」ですが、初めてなのに違和感なく手に馴染み、よく考えられたスイングバランスで振りがかなり快適でした。

一段手前側に角度がついた凹角形状の下部ハンドルは手指が氷に接する形になることが少なく、手が冷たくなりにくいですし、バーティカルの氷では一層リーチが伸びる感じがしました。

また、上側のグリップで短く持つこともできるので、振るときにもあえて積極的に使用してみました。このグリップがあるおかげで、アックスが氷に刺さりすぎた際、抜き出しやすい印象がありました

「カシン・Xドリーム」は、合計4種類のピックに交換が可能。また、ハンマー・ブレード・ピックウェイトや、石突つきのアルパイングリップ、その他多くの専用オプションパーツが揃えられており、アルパインクライミング、アイスクライミング、ドライツーリング、コンペなどのさまざまな用途へのニーズに最適化できる仕様となっています。

matsuda

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取り扱い商品:テント、タープ、ツェルト、テント関連品、クライミング用品全般、アックス、沢靴、山岳書籍・DVD

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