2015.2.16 八ヶ岳 阿弥陀岳北西稜(&赤岳主稜)

シューズ館田中です。
「ラッセルが核心」と言われる憧れのアルパインクライミングルート、阿弥陀岳北西稜へ行ってきました。

メンバーは大先輩と田中の二名。
まだ私には登れるレベルのルートではありませんが、トレーニング山行&ラッセル要員ということで一緒に登ってきました(写真の日付が3月になっていますが、2月の間違いです)
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朝6時半頃、赤岳山荘駐車場を出発。行者小屋手前から北西稜を目指します。
先週末の雪で、北西稜のテント場からはトレースゼロ!
早速ワカンを装着、ラッセル大会の始まりです。

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雪深い急登を、交代で腰~胸までのラッセル、ラッセル、ひたすらラッセル。
今シーズンラッセル2回目の田中。軽量化のためにストックを省いたのが大失敗。八ヶ岳の雪は柔らかく踏み固められないのがクセ者!足場を固めて立ち上がる動作が中々うまくいきません。
「もっと小幅を小さく!」「まっすぐ立ちあがらないと足場が崩れる」「ルートはそっちから巻いた方が登りやすいよ」と先輩から指示が入ります。
でもペースが出来ると楽しいもので、非力ながらも黙々と進みました。
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たまに目につく赤いテープに励まされながら、稜線に出ると大パノラマ!
まだまだラッセル大会は続きます。天気は快晴。
「ラッセルは体力よりも、技術。まずはラッセル技術を身につけないと」と先輩がボソリ。
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先輩はラッセルも早い早い!雪壁も壊しながら、どんどん進みます。
ほとんど休憩とご飯、水を取らない強い先輩。そしてトレーニング不足&お腹空かしの田中。必死で着いていきます。
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12時頃、やっと取り付きへ到着。5時間半のラッセル大会。
なんとここまでアイゼンを付けず、ワカンだけで登ってきました。
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怪我から復帰してまだ時間が経っていない先輩。計画していたよりラッセルに時間がかかったようで、クライミングのスピードで巻き返しを図ることに。早々にクライミング装備を身に着け、登攀開始。
最初のリッジはⅡ級程度のため、コンテでどんどん進みます。先輩がオールリードで先行。支点もすべてしっかりしていました。
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アルパインらしい楽しいピッチをフォローで登る田中。
天候が良く、2月とは思えない暖かい日でした。写真はⅢ級程度のピッチ。
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本日の核心。「凹角A1」
フリークライミングがとても上手な先輩。もちろんアブミなんて使いません。
岩はスラブで足はなし。寒いとベルグラ状になるそうです。今日はドライツーリング。
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田中はフォローのくせに何度もフォールして引っ張り上げてもらうという大惨事。練習が必要です。クライミング自体は、先輩のおかげで約2時間で終了してしまいました。
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核心ピッチを超えると、後は雪壁を100mほど登り、麻利支天直下に出ます。
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雪稜を越え、阿弥陀の登山道へ。先輩が田中を先に歩かせてくれました。
後ろを振り返ると、先輩の後ろに蓼科山が。
15時15分阿弥陀岳山頂。360度の大展望です!!
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ラッセルから解放されて楽しい下り♪と思いきや、先輩が弱層を確認後、時間短縮のつもりで中岳沢を降りたらこれもラッセルで大失敗!文三郎を下った方が早かったようです。
ひたすらラッセルづくしのアルパインクライミングでした。18時、暗くなるギリギリで駐車場着。11時間半の行動でした。

久々のしっかりした山行。冬のアルパインクライミングにはラッセルが付きモノですが、クライミングよりもラッセルがメインのようなルートでお腹いっぱいの一日でした。
最近はゲレンデのアイスクライミングしかやっていなかった田中はかなりトレーニング不足で、息は上がるしラッセル技術は足りず、何とも情けない感じに…自分を甘やかさず、また頑張りたいと思います。

おまけですが、翌日17日は別のパートナーと赤岳主稜を予定していました。
田中は駐車場にてテント泊。6時半赤岳山荘駐車場を出発。
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夜から大雪が降り、行者へ向かうトレースもこの通り。一日でこんなに天気が変わるなんてびっくりです。
昨日私達がせっかく着けた阿弥陀北西稜のトレースも消えてしまったのでしょう。
「取り付きまでは行こう」と、足の長い体力バリバリのパートナーを、ゼーゼー言いながら追いかけます。田中は北西稜のおかげで筋肉痛バリバリ。
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凍った面に大分雪が降り、取り付きのトラバースは雪崩の危険満載(写真は下山時に撮影)
ガスが濃く風もあり、視界も悪くルートが見通せません。
赤岳主稜は初めて登る、アルパインクライミングのレベルも同じくらいの二人。
今回のリーダーであるパートナーより「視界が悪すぎる。俺はこのコンディションだと登らない」と指示があり、敗退決定。トレーニング目的で赤岳の一般道をサクッと往復し、下山しました。

往復の間にもトレースは全て消えて、フカフカの雪の上をしっかり足場を切って歩きます。雪が目に刺さり風もどんどん強くなっていたので、私達の実力では敗退して正解だったようです。
山は逃げないので、またチャレンジします!

天気がとても良かった今回の山行で、田中が使っていたサングラスはこちら↓

Smith(スミス) RHYTHM(リズム)※付属のレンズによって値段が変わります
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上田藍選手(トライアスロン)、鏑木毅選手(トレイルラン)、野口啓代選手(ボルダリングワールドチャンピオン)などなど、有名選手が愛用することで有名なスミス。

様々なラインナップがありますが、頭の小さい女性に最適な「リズム」というシリーズが私の一押しです!
中々フィットするサングラスが少ない中、ずれない、ブレない、落ちない、軽いと優秀でした。フレームカラーは複数あり、別売で好きなレンズを買って付け替えることも出来ます。

私は雪山用に使いたかったので、紫外線透過率12%の「Polar Gray」というレンズを別に購入し付け替えています。岩の凹凸もしっかり見えてクライミングに集中出来る偏光レンズです♪
曇りにくく、サングラスをつけていることを忘れてしまうほど軽い!しかもここまで岩肌がしっかり見えるなんて驚きました。
私は日常生活では眼鏡を着けておらず、サングラスが嫌いで冬でも裸眼で過ごし、たまに手酷い雪目になっていました。今まで何をしてたんだろう・・・と思うほど素敵な一品です。
ちなみに吹雪の時は曇ってしまうので、ゴーグルを兼用するのは忘れずに。

スミスのサングラスはシューズ館(03-3262-0433)で扱っています。しかも全てのモデル10%オフ!
素敵なサングラスをお探しの方は、是非さかいやスポーツへお越しください♪

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東京神田神保町に店を構えて70年。多くのアウトドア好きに愛される「登山・アウトドア用品の専門店」。登山・キャンプ・トレイルランニング・クライミング等、多くのアウトドア用品と専門知識を持つスタッフがお客様のご来店をお待ちしております。

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