「シュラフの選び方」

ここ数年、テント泊を始める方が増えてきています。
テント泊を始める理由は様々なようですが、道具の軽量化が進みテント泊でも軽量コンパクトで山行にいけるようになったのが大きいと感じています。今回はそんなテント泊装備の中でもシュラフについてお話しをしたいと思います。

寝袋、シュラフ、スリーピングバッグ・・・いろいろな呼び名はありますが今回は「シュラフ」と呼んで説明させていただきます。

※今回のブログは長文になります。読むのが面倒な方は直接エコープラザでスタッフにご相談ください。

ダウンシュラフコーナーには
多くのブランドが展示されています
この他にも展示しきれないシュラフがたくさんございます!

シュラフの選び方①【シュラフは体力回復ツール】

シュラフはテント泊装備の中でも重要な体力を回復させるための道具になります。
対応温度や封入素材のチョイスを間違ってしまうと良く寝れず、翌日に疲れが残り山やキャンプを楽しめません。
これから説明する選び方を読んで自身のスタイルに合ったシュラフを選びましょう。

シュラフの選び方②【対応温度】

シュラフを選ぶときに一番大事なのは対応温度です。山やキャンプに行くシーズンや場所、標高等により外気温は様々。予定されるシーズンやフィールドに合わせた対応温度を選ぶことが大事です。また、最高気温ではなく朝方の最低気温を目安にしましょう。
軽量化したいからと薄いシュラフを選んでしまうと、寒くて寝られず翌日疲労が蓄積され登山道での転倒や遭難事故の一原因ともなりますので適切な温度域を選びましょう。

夏山5~0℃
春~秋山0~-5℃
初冬、残雪期-10~-15℃
厳冬期-20~-25℃

※上記気温はあくまでも目安です。その年の気候や地域により対応温度を変える必要があります。

店舗にはブランド別一覧表があるので価格や重量の差がわかりやすいです。

シュラフの選び方③【封入素材の違い】

シュラフに封入されている中綿には大きく分けてダウン(羽毛)とポリエステル綿の2種類があります。
ここではそれぞれの特徴についてご説明いたします。

ダウンの利点

最大の特徴は軽さ。
数百グラムのダウンを封入するだけで大きく膨らみ断熱し、体温をシュラフ内に循環させ保温してくれます。
収納サイズが小さくなるのもダウンシュラフの特徴です。

ダウンの欠点

水にぬれるとふくらまず保温力が落ちていきます。乾きにくい。
自宅での保管時にストレージバッグに入れるのでかさ張る。
メンテナンスに多少手間がかかる。
価格が高い。

登山や徒歩キャンプなどバックパックで背負って運搬するなら軽量コンパクトなダウンがオススメ。

ポリエステル綿の利点

水濡れに強く、多少ぬれても保温力が落ちにくい。
乾きやすい。
メンテナンスが容易。
価格が安い。

ポリエステル綿の欠点

収納サイズが大きいものが多い。
ダウンに比べると重い。

水濡れに強いので沢登りや雨季のテント泊や大きさにこだわりがないオートキャンプ、車中泊にオススメ。
ヴィヴィサックとの相性が良いのでUL系の人にもオススメです。

シュラフの選び方④【ダウンの種類とグレード】

ダウンには大きく分けて2種類の鳥を使用しています。

グースダウン(ガチョウ)

ガチョウは水鳥の中でも体が大きいため、羽毛自体も大きく弾力性があります。
かさ高があるのでたくさんの空気を含み高い保温性を持ちます。
しかしダウン自体が高価なためシュラフの価格が上がります。
少しでも軽量化したい方やシュラフの保温力を長持ちさせたい方はグースダウンがオススメでです。

ダックダウン(アヒル)

ガチョウ(グースダウン)に比べると体が小柄なので取れる羽毛も小さめです。
グースダウンと同じ対応温度にするためにはより多くの羽毛を封入しなければいけません。よってシュラフの重量はグースダウンに比べると重くなります。
価格はグースと比べると安価なためオートキャンプや車中泊用としてオススメです。

ダウンのグレードはフィルパワー(FP)で表します。
30gのダウンをシリンダーの中に入れて上から円盤状の重りで抑え一定時間後にどの程度ダウンが復元・ふくらむかでその体積を測りフィルパワーとしています。
フルパワーの数値が高いほどかさ高があり保温力が高くなります。

シュラフの選び方④【アウターシェルの素材】

最近のシュラフは軽量化の為かなり薄い素材を使用している製品が多くなってきています。
ただ軽ければよいというわけではないのでここもスタイルに合わせて選びましょう。

極薄ナイロン

軽量でダウンのふくらみを最大限に生かし、超撥水性、耐摩耗性・引き裂き強度に優れている。
主に軽量な山岳用ダウンシュラフに使用されています。

ポリエステル

しなやかで肌触りが良く、厚手の生地で耐久性も優れている。
ナイロンよりも乾きが早い。
主にキャンプ用のシュラフやポリエステル綿のシュラフに使用されています。

防水・透湿素材

防水・透湿性能を持ちシュラフカバーをかける必要のない防水シェル。
極薄ナイロンを使用したシュラフ単体より多少重くなるが、シュラフカバー込みで重量を比べると圧倒的に軽く、別売のシュラフカバーとセットで買うより安くなります。
梅雨時や冬季のテント泊でよく使用されている。
ナンガのオーロラライトやモンベルのシームレスドライダウンハガーなど

よくお客様から「こんなに薄くて破けない?」と質問がありますが、基本寝るだけなので破けることはほとんどありません。年間のシュラフの修理預かり件数は10件もありません。

シュラフの選び方⑤【収納サイズ】

ダウンシュラフは小さく、ポリエステル綿のシュラフはかさばります。
軽量化したい方は収納サイズではなく対応温度と本体重量でシュラフを選ぶ方がいいと思います。

収納サイズはシュラフ本体ではなく収納袋の大きさを比べているだけで本質ではないと思います。
ザックの容量が足りず小さくしたいのならコンプレッションバッグや一回り小さなスタッフバッグを使用すれば小さく収納できます。
オートキャンプや自宅で使用など大きさや重量が気にならないときにはポリエステル綿がいいと思います。

シュラフの選び方⑥【ブランド別特徴】

ここまで来たらある程度スタイルに合ったシュラフが絞り込めてきたと思います。
最後は各ブランド別の特徴をご紹介しますのでお好みの特徴で最終的には選びましょう。

ISUKA(イスカ)ー 大阪府

3D構造と均一なかさ高で高い保温性能を持ち、縫製技術はNo.1
シュラフメーカーなだけあり豊富なラインナップから選べます。

NANGA(ナンガ)ー 滋賀県

防水素材オーロラライトやダウンに撥水加工をかけたUDDなど防水性に優れたシュラフが多い。

ナンガ渾身のモデルレベル8はナンガのこだわりの塊です。

mont-bell(モンベル)ー 大阪府

縫い目のないシュラフの中にはスパイダーバッフルという特殊な繊維が張り巡らせてあり、そこにダウンを絡ませています。
軽量でシュラフ全体に体温が循環しやすいのが特徴。

※モンベルは通信販売しておりません。是非店頭へご来店ください。

PUROMONTE(プロモンテ)ー 東京都

撥水ダウンを使用しながらも安価なのでコストパフォーマンスに優れています。

SEA TO SUMMIT(シートゥーサミット)ー オーストラリア

シュラフシーツの製造から始まったブランド。
スパーク、フレームシリーズは高品質なグースダウンに撥水加工をかけ、超極薄なアウターシェルに封入することで優れた軽量コンパクト性を持っています。

Rab(ラブ) ー イギリス

Mythic Ultraシリーズは超軽量でコンパクトになりやすい7デニールリップストップナイロンに900フィルパワー以上のヨーロピアングースダウンを封入。
シュラフ内側にはチタンコーティングを施すことにより熱を体に反射させ優れた保温性能を持っています。

Gruezibag(グリューエッツィバッグ)ー ドイツ

シュラフで唯一ウールを混紡させたダウンを封入したシュラフを作っています。
なぜウールか?シュラフで寝ているときに蒸れて暑いと感じたことありませんか?
ウールが持つ調湿効果によりシュラフ内の湿度を調整してくれます。
朝まで快眠したいならグリューエッツィバッグ。

PAJAK(パヤック)ー ポーランド

パヤックの高品質なダウンと高い縫製技術はダウンの目利きから縫製まで自社で行っているから。半身用シュラフなど画期的なシュラフを生産しています。

deuter(ドイター)ー ドイツ

ポリエステル綿を中心としたシュラフを生産しています。
スターキャッチャーなど星空観察に特化したシュラフもあります。

さかいやオリジナル

ナンガとのコラボモデルや学生に人気のポリエステル綿シュラフ「サンセットスーパー700」

スタッフが考案したハーフジップシュラフや半身用シュラフなど他社ブランドにはないラインナップと低価格でご提供しています。

さかいやスポーツエコープラザには10ブランド100種類以上のラインナップを常時展示、販売しています。
実際にシュラフに入り体験することもできますので、是非さかいやスポーツエコープラザへお越しください。
シュラフの知識が豊富なスタッフが常駐していますのでお客様のスタイルに合わせたシュラフを一緒に選びましょう!

お問い合わせ先

さかいやスポーツ エコープラザ

住所: 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-30 昭和ビル1F (Googleマップ)
電話番号: 03-3262-0583
営業時間: 11:00-20:00(年中無休・元旦を除く)

取り扱い商品:バックパック、シュラフ、キャンプ用品全般、トレッキング小物、時計、コンパス、GPS、帽子、手袋等

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